企業の株式所有関係の距離と空間上の距離はどのように関係があるのか?: Geography versus topology in the European Ownership Network

  • タイトル:

Geography versus topology in the European Ownership Network

  • 著者:

Stefania Vitali1,2 and Stefano Battiston1,3

  • 所属:

1 Chair of Systems Design, ETH Zurich, Kreuzplatz 5, 8032 Zurich, Switzerland
2 Department of Economics, Università Politecnica delle Marche, P.le Martelli 8, 60121 Ancona, Italy

  • 雑誌:

http://iopscience.iop.org/1367-2630/13/6/063021/fulltext/#nj383741s3



◆おおまかな感想◆
欧州の企業の距離と企業の所有関係には相関があるという内容の論文. 私的には(1)の性質が気になりました. 

  • 手法としては, 距離のランダムさを調整するような手法はみにつけてもいいかと思った(距離が近いほど状態移動に関するエネルギーが小さいイメージ, パラメータを調整することで, その状態のえらばえれる率を同じ位置→ランダムに調整できる).

◆データ◆
orbis の株主持ち合いデータ. おもみつき有向ネットワーク.
ノードは企業. エッジは株式持ち合い関係(i→j:iがjを所有).重みは,持ち株比率(W(i→j). 企業jにおけるiの持ち合い率. Σ[i]W(i→j)=1).

  • 所有ネットワークは,A→B→Cみたいな場合に, A→Cの所有関係が

必ずあるという意味で他のネットワークより, 1以上のリンクを
考える意味で有利

また, 距離データは緯度.

◆手法◆
次数が同じ相関のないネットワークを作る.
ネットワークのランダム化. A→B; C→D を C→B; A→Dとシャッフルする. そのときに, A→Aや同じエッジができないようにする.
(おそらく, AとCのほうを入れ替えるようにすれば, ΣW=1を維持できる.)

地理に関してもネットワークのランダム化.
P(j)=Exp(-d(i,j)/dc) でjを選ぶ.
dc→0 だと, 同じ場所の企業しか交換しない.
dc→∞だと, 場所に関してランダムに交換する.
となる. このdcを調整することで
地理に関して効果のランダム化を調整できる.

  • おもつきの参考ランダムシャッフルの参考論文

使えるかどうかは謎.
On the rich-club effect in dense and weighted networks
http://arxiv.org/abs/0807.0793

◆内容の詳細◆
(1)1リンクでつながっていく確率は距離の指数関数(これはほかのさまざまなネットワークでみられる(5章 Fig.2)).
(2) 8割は国内企業の所有関係(4章)
(3) 出次数がべき. 入次数はカットオフ(4章).
(4) 所有率としては, すごく小さい, 5割, 完全所有が多い(4章).
(5) スモールワールド性あり→大まかには地理効果は弱まる(6章).
(6) ネットアワーク距離の空間距離依存性は, ネットワーク距離がちいさいほど空間距離は小さい. 空間距離で条件づけしたネットワーク距離の分布をみる(6章 Fig.3). 実ネットワークとランダムネットワークの比較では, ネットワーク距離が小さいところでは, 条件付き分布はランダムと異なるが, 大きいところではランダムと同じ感じ(6章 Fig.4)

(7) 空間距離のネットワーク距離依存性は, ネット距離の条件づけした, 空間距離は分布はあんまりかわらない感じ. ただし ,ネット距離1だけ(指数分布)、だけは2以上と異なり小さい (6章 Fig.5) 他のネットワークとの違いは条件付き分布は, 距離2以上では, ランダムにかなり近い感じ (6章 Fig. 6)